4. 韓国ドラマ&映画スターとK-POPの時代到来

14)リュ・シウォンのプロ野球始球式について

2007年、東京ドームでプロ野球の巨人対阪神戦が行われた。

しかし、この日の東京ドームの観客はいつもと違っていた。プロ野球といえば、大人の男性が圧倒的に多いのが普通だが、この日は大人の女性の姿がいつもより多く、しかも、実ににぎやかな雰囲気を醸し出していた。

彼女たちの目当ては、実は野球ではなく、始球式に登場するスターを見たかったからだ。胸にGIANTSと書かれたユニフォームを着て現れたのはリュ・シウォンだった。

彼は同じく韓国から来ているイ・スンヨプ選手を捕手役にして、かなり速いボールを投げた。ストライクではなかったが、素人とは思えないほど力が強かった。その瞬間、多くの大人の女性が大歓声をあげた。

その始球式を見届けた女性たちは、すぐに観客席から移動をはじめて、バックネット裏の一番奥にある通路の前に集結した。続々と女性たちが集まってきて、通路が完全にふさがってしまったのだ。

そんな騒然とする中で、ようやく姿を現したのは、始球式を終えてしばし休息をとっていたリュ・シウォンだった。彼は集まっているファンに笑顔で手を振って通路を横切った。

すると、今度は観客席のほうから大きな歓声があがっている。放送ブースにゲストで呼ばれたリュ・シウォンの姿を観客席で見ている人たちが、盛んにカメラを向けたり手を振っているのだ。

そんな場面を見たいがために、ファンは早くから通り沿いでずっと待っていた。その忍耐力には本当に感心させられる。

まさに「野球場の一部が大人の女性たちに占拠された」

そんなフレーズが浮かぶほどの光景だった。韓流スターを通して大人の女性の行動範囲が広がったことは確か。しかも、この日の観客導入数アップにも大いに貢献している。本当に熱心な韓流ファンはさまざまな波及効果をもたらすのだ。

15) 韓流スター「ソ・ジソプ」のワイルドさについて

2005年からの韓流スターは大胆な新人起用にも踏み切っていた。すでに人気のある韓流スターに依存するよりは、さらに韓流を引っ張っていける新しいスターを発掘することにこだわったのである。

そこで長身で元韓国代表の水泳選手でもあったソ・ジソプやソン・スンホンなどが主役となったドラマや映画が作られた。ペ・ヨンジュン、チャン・ドンゴン、ウォンビン、イ・ビョンホンは韓流四天王と呼ばれていたが、その次の世代の韓流スターたちの誕生だった。

その中でも、ソ・ジソプはいつも言葉数の少ない寡黙な役を演じる演技者でどこかに暗い陰があるような憂鬱な表情のため、その中に隠した情熱をもっと熱く感じられる男だ。

彼は普段から無愛想で冷笑的な表情をよく作る。少し傲慢そうで冷情なその顔は、軽く近付くことのできるタイプではない。それため彼の愛はいつも難しい。ただ楽しく喜ぶ愛ではなく、辛く苦痛を伴いながら得、守っていかなければならない、そんな愛なのである。言わば悲劇が似合う俳優だ。

笑わなければ深刻な顔になるソ・ジソプのマスクは、少し渋みのある顔だと言える。細長い目から漂う鋭さとほっそりとした輪郭、薄い唇などから漂う鋭利な持ち味が楽天的なイメージとはほど遠いのだ。そのため長細い首と長身がもたらす綺麗で爽やかな明快さが都市的な雰囲気を醸し出すにもかかわらず、アウトサイダー的な不安感と寂しさが含まれた人物が似合う。

彼が出演した殆どのドラマで彼はこんなアウトサイダー的人物だった。貧しくて胸に傷を負い、愛情表現ができずにむしろ無関心に振舞う無表情の男。しかし顔とこんなイメージがソ・ジソプの魅力であることは事実だ。

2004年に大ヒットした「ごめん、愛してる」そして5年ぶりに出演した2009年の「カインとアベル」と2010年の「ロードナンバーワン」も大好評だ。

16) 韓国ドラマが大好きな理由

韓国ドラマを好きになって何が一番良かったのか。そんな意見を聞きたくて、韓国語のマンツーマンレッスンを受けているAtlasでアンケートを書いてもらった。書いてもらったのは10代から60代の女性で、韓国ドラマや韓流スターの魅力を書いていただくという内容だ。

H・Nさん(20代)

「韓国ドラマを好きになって本当によかったと思えることは、たくさんの「夢」を持てたことです。それまでの平凡で平和な日常生活より充実しています。子育てや家事に追われながらも、小さな幸せを感じて生きています。韓国ドラマが好きになり、俳優や歌手だけでなく、言葉や生活習慣、料理、歴史など、韓国という国そのものに興味が広がっていきました」

Y・Oさん(20代)

「冬のソナタを見たことによる、ひとつのときめきの芽生えは、韓国ドラマを好きになるきっかけとなり、韓国を知りたいという興味が湧き、韓国を学びたいという意欲がふくらんでいきました。そして、たくさんの夢が生まれました。ひとつひとつを実行するたびに、韓国についての知識は増えていき、そのことが単純に嬉しかったり、日本との違いに驚いたり、共通点に感動したりと、満足感に満ちています」

T・Yさん(30代)

「私の生活の中に、韓国ドラマや映画を見る時間、韓国語のマンツーマンレッスンを受ける時間、韓国料理店を探して食べ歩いたりする時間、韓国人の友人と話す時間が生まれました。まだ達成されていない夢もたくさんありますが、ドラマのロケ地に行きたいです。ハングルを勉強しに韓国に留学したい。夢は果てしなく広がっている感じです。そんな日々がとても幸せなのです」

U・Eさん(30代)

「ワクワク、ドキドキする気持ちを持てるようになりました。再び夢を見る少女のようになれた気がします。小学生の頃、少女マンガや恋愛物のテレビドラマの次回作をワクワクしながら待ち望んだものです。まさか10代の時と同じように、韓国ドラマを一日15時間続けて見ることになるとは思いもしませんでした」

K・Uさん(40代)

「韓国ドラマはストーリーの面白さと展開の早さだけではなく、日本人が失いかけている家族愛や友情の大切さを本気で描き、とても考えさせられることが多いのです。生活していく上で大切なことを学んだように思います。鈍くなっていた感情を豊かにしてくれて、心が広がった気がします。これからも、胸をキュンとさせたり、ズキンとさせたりしながら見続けたいと思います。そして夫や子供に優しくしたり、友達を大切にしなきゃ…と気づかせてくれたのはとても素晴らしいことです」

E・Fさん(40代)

「韓国の方々の生活や文化を具体的に映像で知ることができて、今までの漠然とした興味が、さらに大きくなりました。特に、日本と似ているところと全然違うところを発見するのがとても楽しみです。また、義母との共通点の話題ができたのも、良かった点の一つです。さらに、韓国ドラマを見ていなかったら知り合うことはなかったかも、と思うと、世界や視野が広がる機会を与えてくれたAtlasさんには感謝しています」

Y・Yさん(50代)

「韓国やその文化に興味が持てるようになりました。ヨン様の「冬ソナ」を見て、今まで「近くて遠い国」と思われていた韓国を急に身近に感じることができるようになりました。ドラマは、その国の生活を映す鏡だと私は思います。その時代の流行や時事などをうまく取り込んで制作されているからでしょう。日本でもドラマから生まれた大衆文化や流行が多くあり、俳優も生まれています。深夜放送のアメリカ海外ドラマを見て、今まで知らなかったアメリカの生活や文化に驚き、あこがれたのと同じように、韓国ドラマを通して、まったく知らなかった韓国の文化や価値観などを知りました」

H・Gさん(50代)

「冬のソナタをはじめとする韓国ドラマの爆発的ヒットで、私個人だけでなく、日本全体が韓国という国に対して認識を改めたような気がします。私を含め、数多くの日本人の間に根強いファンを獲得し、今なお魅了し続ける韓国ドラマは、実はものすごい魔力を持っているのではないかと思います」

I・Uさん(60代)

「今までになく新鮮な感動を味わえました。韓国ドラマ特有のストーリーのせつなさ、哀しみ、苦しみ、喜び、思いやりなど、その感情の表現が素晴らしく、とても共感でき、吸い込まれてしまいます。そして、いつの間にか主人公になってしまった私は、昼夜問わず想い、ついには夜も眠れないほど感情移入してしまっています。韓国ドラマはそれほどに大きな衝撃と新鮮な感動を私にもたらせてくれました」

R・Iさん(60代)

「韓国ドラマの不思議な魅力は、同じものを何度見ても決して薄れることのない感動を繰り返し味わうことができるところです。さらに、韓国ドラマを通して素晴らしい俳優さんに出会えました。ヨン様。隣国にこんな素敵な俳優がいたこと、神様に対して感謝の気持ちでいっぱいです。ルックス、演技はもちろんですが、誠実でとても素晴らしい考えを持ち、そして、努力を惜しまない立派な生き方をしています。彼のひたむきさに心を打たれ、私は生活や生き方までも見つめなおし、改めようという気持ちにさせられました」

J・Tさん(60代)

「私も大いに啓発させられた日本人です。韓国の俳優はそれほどに大きな影響力を持っています。そして、韓国の文化や言葉に興味を持ち毎週1回、マンツーマンでのレッスンを受けています。韓国ドラマを窓口に、韓国の人間性を見出し、韓国の文化や言葉に興味が持てたことは非常に素晴らしいことだと思います。日本人が忘れかけている、けれど忘れてはならない大切な何かを思い出すことができたのは韓国の人のおかげです。韓国から学ぶことは多いのです。これまで以上に多くの交流を持ち、親睦を深めるとともに、お互いによい影響を及ぼし合いたいと思います」

T・Eさん(10代・高校生)

「お母さんが好きな韓国ドラマを一緒に見てとても好きになりました。心温まるストーリーと俳優の演技力をさらに盛り上げるのは音楽だと思います。少女時代やKARAなど元気いっぱいのK-POPは大好きで全部聞いています。最近はカラオケでも歌えるようになりました。韓国ドラマをきっかけに、好きな音楽に出会えたことを本当によかったと思います。私にとって世界が広がったことが韓国ドラマを好きになって最もよかったことといえます」

おかげさまで創業20周年 おかげさまで創業20周年